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摺物絵は、北斎とその一派のものが多く、特に北斎のすぐれた作品が出品されている。
摺物絵とは、狂歌師たちが正月などに自分の狂歌に絵を添えて、年賀がわりに配ったものや、芸能人が名ひろめのために作ったもので、自費出版である。
彼らはお金をかけて立派なものをきそって作った。
頼まれた絵師たちはよろこんでそれを描いたという。
「座敷の遊興」と題された北斎のものは、はがき二枚くらいの小さなもので、細かく描かれた女と客の遊興の図に「初春のきょうに羊のまねすればきりんともみる御代のめでたさ」と狂歌の賛がある。
浮世絵の初期から明治にかけて各作家ごとに網羅されている中で、初期の第一人者石川豊信の名作「花下美人」は、満開の桜の枝に短冊を結ぼうと伸び上がった美人を描いたもので、豊信の清雅で温厚な画風がよく表れている、重要文化財である。